ACE COMBAT ZEROのTLSチャレンジは非常に面白いものでした。
そして、それを行った結果として、実は「ACE COMBATシリーズの最強兵装2系統論」なるものが成立し、それはZEROより始まったと言えることが分かってきました。
以下、詳しく説明します。
最強兵装とは §
特定の最強兵装という概念がACE COMBATシリーズに出現するのは、おそらくACE COMBAT 3からです。全ミッションをPERFORMACE RATING Aでクリアすることで使用できる最強機体は衛星よりのレーザー攻撃を行うことができ、圧倒的かつ最強の攻撃力を発揮します。しかし、あまりに強力すぎるためか、この路線は継続しません。
次のACE COMBAT 04では、おそらく最強兵装は対空用のQAAMと、対地用のFAEBという形で現れます。長時間どこまでも追尾するQAAMの強力さは、シリーズ他作のQAAMとは別次元です。また、FAEBの圧倒的な制圧範囲の大きさも特筆ものです。ここで、最強兵装は「対空、対地の2系統」として成立します。しかし、これらは「異次元の強さ」とまでは言えません。
ACE COMBAT 5ではTLSが1系統の唯一の最強兵装として出現します。これは、有効射程が比較的短い無誘導兵器として対空対地の両用兵器となっています。使えば圧倒的な成果を出せますが、使いこなすのも難しい兵器です。
そして次のACE COMBAT ZEROにもTLSが継承されますが、位置づけは全く変わります。つまり、ZEROのTLSは5と違って、「遠距離狙撃型」の最強兵装となっているのです。長射程ミサイルを撃ってくる敵機を相手にしてすら、ヘッドオンで撃たれる前に相手を仕留められます。まさに最強です。
そして、ACE COMBAT ZEROにはMPBMというもう1つの最強兵装が出現します。これは、誘導され、広範囲の敵を炸裂範囲に巻き込む「範囲制圧兵器」です。
ここで、「範囲制圧+狙撃」という「最強兵装2系統論」が成立します。
このスタイルは、ACE COMBAT Xでも「LSWM+TLS」という形でそのまま継承されます。
更に、「範囲制圧」を「何となく大きな爆発に巻き込む」ではなく「一定範囲の敵をまとめてロックオンして同時攻撃する」と解釈すればACE COMBAT 6のADMMになります。これに、まさに狙撃用兵装のEMLを加味すればこれも「範囲制圧+狙撃」となります。
さすがに、世界観の制約からあまり飛んだ超兵器を登場させられないイノセン・テイセスでは超兵器は実質的にあり得ませんが、少なくともZERO, X, 6という一連の流れは完全に「範囲制圧+狙撃」というパターンが踏襲されていると感じます。
であるから…… §
ACE COMBAT ZEROでTLSを使うことは、新しい快感を開拓する行為であり、楽しさにワクワクさせられたのだ……とも言えます。
みんなもTLSでZEROの空を飛ぼうぜ!